ここでは鮨を食べるときの作法(マナー)について少し説明します。
近年のグルメブームで、誰もが料理を評論するような風潮が生まれ、テレビや雑誌の受け売りで得た知識をひけらかして、鮨にダメ出しをして美食家であるかのように振舞う人が増えたように感じます。
美味しく食べている隣で偉そうに説教や講釈をしているお客様がいたら不愉快になりませんか?
知っている知識はひけらかすためのものではありません。
旨いと思ったら素直に褒める。味に難点があればそれとなく不満を伝えるなど、互いに不快にならない方法をとり、鮨を美味しく食べてほしいです。
頑固親父だと言われようとも、私には当店にいらっしゃるお客様全員が美味しく鮨を食べてくれることが何よりも大事です。
食べる順番
食べる順序にこだわるお客様がいますが、どれから食べなければならないといった規則はありません。
お客様各自の好みに任せて、風味を損なわずに食べたいものから食べるのが、鮨を美味しく食べる第一条件です。
あえて食べる順番を教えてほしいというお客様には、下記のような順番を教えています。
- 酢で〆た種・・・こはだ、あじなど
- 煮た物・・・穴子、しゃこなど
- 玉子焼
- 生ものの種・・・味のあっさりした種から
- 玉子焼、巻物・・・巻き納め。中身は、あっさりした物
食べる順序にこだわるくらいなら、自分が食べたい鮨から食べることにこだわってくださった方が旨い鮨が食べられると思います。
食べ方
鮨を食べるときの作法です。
どっぷりと醤油につけたり、箸で崩したりするのは言語道断。 旨い鮨は必ず正しい作法で食べてください。
- 握りの手前の方を指二本で軽くつまんで、左に傾ける。
- 醤油に種の一方をわずかにひたす。
- 種とシャリとを横にするようにして、種とシャリが同時に舌に直接触れるようにして、すっと口へ押すように入れる。
(※)煮物のタネには、醤油をつけない。
(※)醤油に化学調味料を入れない。
カウンターに座った時の注意
鮨を握っているとき、カウンター席のお客様との対話や料理をお出しするタイミングなども大切にしながら仕事をしています。
また、隣の席との距離も近いので、マナーを守らないお客様がいると他のお客様に迷惑がかかります。
カウンター席のお客様には下記のようなマナーもぜひ守ってほしいと考えています。
- 握りをいつまでも置いておかない。
- 急いで食べない。
- 食べているのに次の注文をしない。
- 大きな声で騒がない。
- 泥酔するほど酒を呑まない。
料理を撮影する時の注意
料理を撮影されるお客様が増えていらっしゃいますが、撮影時にフラッシュを使用しますと他のお客様への迷惑となります。
撮影時のフラッシュ撮影はお止めください。
また、料理以外の撮影はお断り致します。